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マクスウェル・マルツ / 自分を動かす―あなたを成功型人間に変える
著者のマクスウェル・マルツ氏は、形成外科医ですが、「整形手術というのは単に人間の顔を変えるだけでなく、その内側にある“自己”をも変えてしまうものだ」(「はじめに」より)ということで、心理学の研究にも取り組んだ人です。
巻頭に「Original English edition published by Prentice-Hall, Inc, 1960.」とありますので、50年近く前の論文ということにるのでしょうか。
身も蓋もない言い方をすれば「心の持ちよう」の一言で終わってしまうのでしょうが、ここには「心」というものの奥深さが含まれています。
唯識学(ゆいしきがく)を専門に学んだ方から、「全ての行為は“阿頼耶識(あらやしき)”という心の本性に、「力」となって蓄えられ、縁にふれると結果となって表れる。人間の運命は、その人の行為によって決まるのである」という内容のことを教えてもらった事がありますが、それに近い内容だと思いました。
本書では、「成功とは目標を自分が納得できる形で達成すること」と定義し、いかに自己を成功に導くかを「サイバネティックス」という観点から、具体的事例をふんだんに盛り込み、詳しく論じられています。
サイバネティックスとは何か、筆者はこう記述しています。
成功(SUCCESS)する人間のタイプ(p.102)
Sense of Direction(目標感覚)
Understanding(理解力)
Courage(勇気)
Charity(思いやり)
Esteem(自尊心)
Self Confidence(自信)
Self Acceptance(自己容認)
失敗(FAILURE)する人間のタイプ(p.122)
Frustration, hopelessness, futility(欲求不満、絶望、むなしさ)
Aggressiveness(方向を誤った攻撃性)
Insecurity(不安感)
Loneliness(孤独感)
Uncertainty(不確実さ)
Resentment(怒り)
Emptiness(空虚感)
生きるということは、それ自体が目的なのではなく、成功に向かっての手段だと筆者は主張します(p.213)。
では、如何にして人生を成功へ導いてゆくか、心に残った箇所を以下に書き留めたいと思います。
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巻頭に「Original English edition published by Prentice-Hall, Inc, 1960.」とありますので、50年近く前の論文ということにるのでしょうか。
身も蓋もない言い方をすれば「心の持ちよう」の一言で終わってしまうのでしょうが、ここには「心」というものの奥深さが含まれています。
唯識学(ゆいしきがく)を専門に学んだ方から、「全ての行為は“阿頼耶識(あらやしき)”という心の本性に、「力」となって蓄えられ、縁にふれると結果となって表れる。人間の運命は、その人の行為によって決まるのである」という内容のことを教えてもらった事がありますが、それに近い内容だと思いました。
本書では、「成功とは目標を自分が納得できる形で達成すること」と定義し、いかに自己を成功に導くかを「サイバネティックス」という観点から、具体的事例をふんだんに盛り込み、詳しく論じられています。
サイバネティックスとは何か、筆者はこう記述しています。
「心」はなにやらえたいの知れない抽象的なものではなくて、脳と神経系からできている一種の仕組み、それも目標をもったときに効率よく作用する仕組みだということを明らかにしたのは、サイバネティックスという新しい科学です。(p.12)
このサイバネティックスから「成功するタイプ」「失敗するタイプ」を次のようにまとめています。(前述したとおり、「成功」とは「目標を自分が納得できる形で達成すること」です)
成功(SUCCESS)する人間のタイプ(p.102)
Sense of Direction(目標感覚)
Understanding(理解力)
Courage(勇気)
Charity(思いやり)
Esteem(自尊心)
Self Confidence(自信)
Self Acceptance(自己容認)
失敗(FAILURE)する人間のタイプ(p.122)
Frustration, hopelessness, futility(欲求不満、絶望、むなしさ)
Aggressiveness(方向を誤った攻撃性)
Insecurity(不安感)
Loneliness(孤独感)
Uncertainty(不確実さ)
Resentment(怒り)
Emptiness(空虚感)
※精神医学では、攻撃性そのものは異常な行動とされていません。むしろ、攻撃性と情動の力は、目標を達成するうえで重要なものです。目標達成にとっては、防御的な方法よりも攻撃的な方法のほうが好ましいと言えます。しかし、目標達成が妨げられ、欲求不満が生じたときに、問題が生じるのです。感情のはけ口がなくなったときに、方向を誤り、爆発するのです。(p.126)
人は皆、幸福を求めて生きていると言えるでしょうが、この本の言葉を借りれば、皆成功を求めて生きています。
生きるということは、それ自体が目的なのではなく、成功に向かっての手段だと筆者は主張します(p.213)。
では、如何にして人生を成功へ導いてゆくか、心に残った箇所を以下に書き留めたいと思います。
目標を設定することができるということは、将来の自分の姿を描けるということですし、そのために想像力を働かせることができるということです。(中略)
「なにか」を生みだす、いわば「創造的な想像力」は、思想家や詩人、発明家といった人たちだけのものとわたしたちは考えがちですが、実はだれもが持っているのです。その「創造的な想像力」は目標を与えられたときに効率よく働くのです。その仕組みはコンピューターやミサイルのそれと原理的には同じようになっています。たとえばミサイルは目標地点に到達するように自動誘導装置をもっていますが、人間にも目標を達成するための自動誘導装置があるのです。(p.15)
「なにか」を生みだす、いわば「創造的な想像力」は、思想家や詩人、発明家といった人たちだけのものとわたしたちは考えがちですが、実はだれもが持っているのです。その「創造的な想像力」は目標を与えられたときに効率よく働くのです。その仕組みはコンピューターやミサイルのそれと原理的には同じようになっています。たとえばミサイルは目標地点に到達するように自動誘導装置をもっていますが、人間にも目標を達成するための自動誘導装置があるのです。(p.15)
問題意識をもっていれば、要するに「あなたがもっている創造の仕組み」が自動的に働いて、多くの場合は、あなたがほかのことを考えているか、リラックスしているとき、あるいは夢のなかなどで「これだ!」と思い至る解答をつかめるのです。それがひらめき──インスピレーションです。(p.22)
古今東西東西を問わず、成功した人たちはみな、やり方の差こそあれ、「イメージ」を上手に活用してきています。それは成功者だけがもっている超人的な能力のせいで、成功したのではなくて、だれもがもっている「自動誘導装置」を効果的に活用しただけなのです。その「心の自動誘導装置」は、生じた結果をみて原因を自動的に調整す仕組みをもっており、新しい情報と知識を組み合わせることで目標への方法を選らぶシステムなのです。それは脳と神経系からできていて、たった一つの方法でしか動かないのです。「目標」とか「標的」、「到達点」といったものがないとだめなのです。
あなた自身が考える「あなた」が妥当なもので、あなたが設定した目標が達成可能なものであれば、あなたは成功したときのあなたを心のなかで描くだけでいいのです。アレックス・モリスンが言うように、あなたは何かをする前に、目標をはっきり見定めておくのです。そうすれば、あなたが持っている創造型の「成功の仕組み」が作用しはじめ、満足できる結果を手にすることができます。
緊張して努力することで、何か事を成し遂げようとしないで、あなたが得たいと思う目標ないし結果を生き生きと頭に思い描くことで、あなたもっている創造型の成功の仕組みにまかせるのです。そうすれば必然的に「積極的な考え方」を実行するようになります。もちろん、それで努力しないでいいと言うわけではありません。あなたの努力が、ムダな事をやめて目標達成へ効率よく組みたてられるようになるというわけです。(p.35)
あなた自身が考える「あなた」が妥当なもので、あなたが設定した目標が達成可能なものであれば、あなたは成功したときのあなたを心のなかで描くだけでいいのです。アレックス・モリスンが言うように、あなたは何かをする前に、目標をはっきり見定めておくのです。そうすれば、あなたが持っている創造型の「成功の仕組み」が作用しはじめ、満足できる結果を手にすることができます。
緊張して努力することで、何か事を成し遂げようとしないで、あなたが得たいと思う目標ないし結果を生き生きと頭に思い描くことで、あなたもっている創造型の成功の仕組みにまかせるのです。そうすれば必然的に「積極的な考え方」を実行するようになります。もちろん、それで努力しないでいいと言うわけではありません。あなたの努力が、ムダな事をやめて目標達成へ効率よく組みたてられるようになるというわけです。(p.35)
考えを変えたり、悪い習慣を直したりするばあい、努力しよう、強い意志力で達成しようとすることは、“百害あって一利なし”です。フランスの薬剤師エミール・クエは「あなたの目標は、それが手の届くものであれば、努力なしに達成できます」といって“暗示の力”を強調しました。また彼は「意志と想像がけんかしたら、いつでも勝つのは想像だ」という有名な言葉を残しています。(p.55)
バートランド・ラッセルは『幸福をつかめ』という著書のなかで、こう述べています。(中略)
「(中略)わたしが申しあげたいことは、理性が正しいと信じていることを重視し、ちょっとしたことでもそれが不合理な要素を持っていれば、それをあなたのなかから抹殺してしまえ、ということです。」(p.61)
「(中略)わたしが申しあげたいことは、理性が正しいと信じていることを重視し、ちょっとしたことでもそれが不合理な要素を持っていれば、それをあなたのなかから抹殺してしまえ、ということです。」(p.61)
心の自動誘導装置は、あなたが設定する目標によって、成功するようにも、反対に失敗するようにも作用するのです。その働きは機械のそれと全く同じで、血も涙もありません。目標を達成するまでの過程でインプットされる情報が、マイナス・イメージからでていれば失敗を、プラス・イメージからでていれば成功を、もたらすのです。心の自動誘導装置はデータに忠実に反応するだけです。
その意味で、事実関係を正しく知り、状況を的確に判断し、プラスの考え方を生み出す“理性の力”は重要なのです。わたしたちはおおむね自分自身を過小評価しており、直面する状況の困難さを過大評価しています。エミール・クエが言うように「あなたがしなければならないことは“簡単にできる”と思うことです。そうすれば“事は容易”になる」のです。(p.67)
その意味で、事実関係を正しく知り、状況を的確に判断し、プラスの考え方を生み出す“理性の力”は重要なのです。わたしたちはおおむね自分自身を過小評価しており、直面する状況の困難さを過大評価しています。エミール・クエが言うように「あなたがしなければならないことは“簡単にできる”と思うことです。そうすれば“事は容易”になる」のです。(p.67)
あらゆる注意を「たった今」に向けることによって、「明日を思い患わない」習慣を身に付けることが大切です。
あなたの心にある創造の仕組みは、明日のために機能するようにはできていないのです。それが働くのは「たった今」だけなのです。創造的な生き方というのは、環境に無意識に反応し行動を起こすことを意味するのです。創造の仕組みは「いま」に適応するのです。明日になってその「いま」が来れば、そのときは同じように適切に反応するのです。つまり、生じるかも知れないことにはうまく反応できないが、生じていることにはうまく反応できるのです。
(中略)幸せと成功を得る唯一の秘訣は、「一日一日を最善に生きる」ということなのです。
アルコール中毒を治す会でもこの原理を応用してこう言っています。「永久に酒を飲まない、などと言うな。ただ次のように言え『今日は飲まない』と」。(p.79)
あなたの心にある創造の仕組みは、明日のために機能するようにはできていないのです。それが働くのは「たった今」だけなのです。創造的な生き方というのは、環境に無意識に反応し行動を起こすことを意味するのです。創造の仕組みは「いま」に適応するのです。明日になってその「いま」が来れば、そのときは同じように適切に反応するのです。つまり、生じるかも知れないことにはうまく反応できないが、生じていることにはうまく反応できるのです。
(中略)幸せと成功を得る唯一の秘訣は、「一日一日を最善に生きる」ということなのです。
アルコール中毒を治す会でもこの原理を応用してこう言っています。「永久に酒を飲まない、などと言うな。ただ次のように言え『今日は飲まない』と」。(p.79)
「なににでもいい点はあるとしてそれを見つけようとするのは、健康な精神をもっている証だ」と言ったのは、世界的に著名なラルフ・ウォルドー・エマーソンです。
(中略)幸せはあなたに対して起こるものではありません。あなた自身が感じ、決めるものです。幸せは歩いて来ません。タナボタを期待できるものでもありません。他人がもってきてくれるものでもありません。
現実の毎日は、幸せと不幸が混在しているのです。100パーセント幸せな日も、環境も存在しないのです。あなたの選択次第で、不愉快な考えを正当化したり、楽しい考え方を素直に認めるような要素や「事実」がいつでも存在しているのです。それは大方、選択とか注意、決心の問題なのです。「現実」には幸せもあれば不幸もあるのです。わたしたちの注意をそのどちらへ向けようとしたか、という問題なのです。どんな考え方に心を抱いたか、という問題なのです。(p.93)
(中略)幸せはあなたに対して起こるものではありません。あなた自身が感じ、決めるものです。幸せは歩いて来ません。タナボタを期待できるものでもありません。他人がもってきてくれるものでもありません。
現実の毎日は、幸せと不幸が混在しているのです。100パーセント幸せな日も、環境も存在しないのです。あなたの選択次第で、不愉快な考えを正当化したり、楽しい考え方を素直に認めるような要素や「事実」がいつでも存在しているのです。それは大方、選択とか注意、決心の問題なのです。「現実」には幸せもあれば不幸もあるのです。わたしたちの注意をそのどちらへ向けようとしたか、という問題なのです。どんな考え方に心を抱いたか、という問題なのです。(p.93)
人の過ちを許し、忘れ去ることはたいせつです。許したことを覚えていたり、誇りに思っていたりすると、感謝してもらわなければならないような気分になります。ほんとうの意味での「許し」は心の傷痕を治す効果があるのに、それに気づいていない人が多いのはその意味での許しが滅多に行われないという事実によるのです。「復讐のみを考えてはいけない。敵を許せば、精神的には敵よりも優位に立つことができる」という口あたりのいい言葉も、「許し」を誤解していると言えます。
ほんとうの意味での「許し」はむずかしいことではありませ。ただ、そうしたいというあなた自身の気持ちを固め、非難する気持ちをもたずにそれを十劫すればよいのです。しかし、非難する気持ちというものはなかなか捨てにくいもので、そのために許すことがむずかしいだけなのです。(p.147)
ほんとうの意味での「許し」はむずかしいことではありませ。ただ、そうしたいというあなた自身の気持ちを固め、非難する気持ちをもたずにそれを十劫すればよいのです。しかし、非難する気持ちというものはなかなか捨てにくいもので、そのために許すことがむずかしいだけなのです。(p.147)
わたしたちはピンチの場面では素早く事を処することを学びますが、十分に納得のいくような学習はしません。たとえば泳げない人に水泳を教える手っ取り早い方法は、深い水のなかに彼を投げ込むことです。危機的な状況自体が彼に泳ぎ方を覚えさせると思いますが、さりとて協議会に出場できるような泳ぎ方をそこで覚えることにはならないのです。ほんとうの泳ぎ方を身につけていないと、長距離を泳がなければならない場合には溺れてしまうことになります。
(中略)
何かを学習する場合、状況の危機の度合いが強ければ強いほど、学ぶことは少ないのです。
(中略)
プレッシャーがかからない状況下で学ぶことが、より効果的に行動する方法を学べるし、それは危機的な場面でも有効だということです。
(中略)
自己表現の「シャドー・ボクシング」ではプレッシャーがかかりませんから、正しい動き方が学べるのです。それが記憶のなかに行動図をつくるのです。その「頭のなかの地図」が現実の緊張を要する場面でも、冷静に行動させるのです。つまりあなたの脳のなかに、正しい行動が「くり越し」の形で入っているのです。リラックスした状態で伸び伸びと学んだから、緊張したときにも臨機応変の行動がとれるのです。そして、小さな成功が自信を生み、次にもスマートに行動させるのです。(p.178)
(中略)
何かを学習する場合、状況の危機の度合いが強ければ強いほど、学ぶことは少ないのです。
(中略)
プレッシャーがかからない状況下で学ぶことが、より効果的に行動する方法を学べるし、それは危機的な場面でも有効だということです。
(中略)
自己表現の「シャドー・ボクシング」ではプレッシャーがかかりませんから、正しい動き方が学べるのです。それが記憶のなかに行動図をつくるのです。その「頭のなかの地図」が現実の緊張を要する場面でも、冷静に行動させるのです。つまりあなたの脳のなかに、正しい行動が「くり越し」の形で入っているのです。リラックスした状態で伸び伸びと学んだから、緊張したときにも臨機応変の行動がとれるのです。そして、小さな成功が自信を生み、次にもスマートに行動させるのです。(p.178)
ピンチに力を出す秘訣は「怖れずに挑戦を受け入れ」、「自信をもって力を発揮する」あなたの態度にあるのです。これは目標志向的で積極的な態度でもあります。「事なかれと祈る」のではなくて「何が起ころうと、うまく処理し、切りぬけてみせるぞ」という態度です。ウィリアム・ジェームスの言葉を借りて言えば、恐れや逃げの態度ではなくて、「戦う」態度を持て、ということです。この積極態度をもてたら危機的場面そのものが、あなたの目標達成を助ける力を与えてくれるのです。
レッキー先生によると、感情というのは興奮した状態とそうでない状態があるだけで、「興奮」それ自体が恐怖とか怒りとか勇気という形をとるとのことです。だから、問題は感情を抑えることではなくて、興奮をどんな形で発揮するかということです。
あなたの意図していることや目標が前向きのものなら、危機的場面が与えてくれる興奮が勇気を生み、その状況を切りぬけるのに役だつように作用するでしょうし、態度そのものが逃げ腰だったら恐怖や不安を体験することになるのです。(p.188)
レッキー先生によると、感情というのは興奮した状態とそうでない状態があるだけで、「興奮」それ自体が恐怖とか怒りとか勇気という形をとるとのことです。だから、問題は感情を抑えることではなくて、興奮をどんな形で発揮するかということです。
あなたの意図していることや目標が前向きのものなら、危機的場面が与えてくれる興奮が勇気を生み、その状況を切りぬけるのに役だつように作用するでしょうし、態度そのものが逃げ腰だったら恐怖や不安を体験することになるのです。(p.188)
敗北感──恐怖や不安、自信の欠如は、神のお告げでもなければ「運命」でもないのです。あなたの心的態度をあらわしているだけなのです。あなたが自分自身の能力を軽視し、問題のむずかしさを過大評価し、過去の成功の記憶ではなくて失敗の記憶を活動させているだけなのです。こうしたことが、その感情を意味し、示すすべてなのです。「勝利感」や「敗北感」といった感情は、未来の出来事に関する真実を表現するのではなく、未来の出来事に対するあなた自身の「心的態度」だけを表現するのです。(p.202)
わたしたちの心には、過去に経験したことを記憶する機能があります。これをエングラムと言いますが、そこには幸せの物語もあれば不幸な結末の記録もあります。どれも事実として記憶されているのです。幸せの記憶をとり出すか、不幸の記憶をとり出すかは、あなた次第というわけです。
エクルズ博士とシェリントン博士は、エングラムは再生されるたびに、少しずつ変化する傾向をもっていることを指摘しています。それは、わたしたちの現在の心境が影響するからです。録音されたテープに、新たなそのときの感情が追加されて録音されるようなものです。
この発見は、大きな意味をもっています。不幸な幼児体験や「精神的外傷」(情緒的ショックで精神に持続的な影響を与える原因となるもの)は永久に直らないという説からわたしたちを解放し、勇気づけてくれるものだからです。換言すれば、わたしたちは過去によって運命を定められるわけではないし、破滅させられるものでもないことを、両博士の研究は教えてくれたのです。(p.206)
エクルズ博士とシェリントン博士は、エングラムは再生されるたびに、少しずつ変化する傾向をもっていることを指摘しています。それは、わたしたちの現在の心境が影響するからです。録音されたテープに、新たなそのときの感情が追加されて録音されるようなものです。
この発見は、大きな意味をもっています。不幸な幼児体験や「精神的外傷」(情緒的ショックで精神に持続的な影響を与える原因となるもの)は永久に直らないという説からわたしたちを解放し、勇気づけてくれるものだからです。換言すれば、わたしたちは過去によって運命を定められるわけではないし、破滅させられるものでもないことを、両博士の研究は教えてくれたのです。(p.206)
「病は気から」と言われますが、言い得て妙です。たとえば、わたしが扱った患者さんには早く直るタイプと、そうでないタイプがあります。早く直る人たちをよく観察してみますと、彼らは単に早く「よくなる」ことを期待しているだけでなく、「わたしには仕事が待っている」とか「やり遂げなければならない目標があって、こんな所にぐずぐずしているわけにはいかない」といった直りたい理由を持っているのです。しかも、おしなべて楽天的で「積極的考え方」を持った人たちです。
要するに、彼らは前にわたしが述べた「心のなかにある成功の仕組み」を活用する特性とか態度を持っているのです。楽天主義とか自信、快活さといった心的態度は治療を促進し、若さを保つ働きをするのでしょうか。わたしたちが持っている「成功の仕組み」は人生を充実させるエネルギー、一種の「若さ」を与えてくれるものなのでしょうか。(p.209)
要するに、彼らは前にわたしが述べた「心のなかにある成功の仕組み」を活用する特性とか態度を持っているのです。楽天主義とか自信、快活さといった心的態度は治療を促進し、若さを保つ働きをするのでしょうか。わたしたちが持っている「成功の仕組み」は人生を充実させるエネルギー、一種の「若さ」を与えてくれるものなのでしょうか。(p.209)
「わたしたちは暦によって歳をとるのではなく、日常の出来事やそれに対する心の動きで歳をとるのです」と言ったのは、アーノルド・A・ハットシュネッカー博士です。
ミケランジェロは、傑作といわれている絵のいくつかを80歳過ぎてから描いていますし、ゲーテは『ファウスト』を80歳を越えたときに書いています。ピカソにしろライトにしろショーにしろ、かなりの高齢期に大活躍をしました。この人たちは、過去に対してではなく、未来に対して限りなき情熱を燃やしたのです。だから精神的には老化していなかったのです。創造性は生命力の特性のひとつですが、その本質は未来をみつめることで、目標をもち、それを達成したいと強く願うことなのです。人生に対する熱意を生みだし、心豊かな人生を送るために「やりたいこと」を創りだすのです。その欲求をもったとき、あなたは心豊かな人生を享受できます。(p.212)
ミケランジェロは、傑作といわれている絵のいくつかを80歳過ぎてから描いていますし、ゲーテは『ファウスト』を80歳を越えたときに書いています。ピカソにしろライトにしろショーにしろ、かなりの高齢期に大活躍をしました。この人たちは、過去に対してではなく、未来に対して限りなき情熱を燃やしたのです。だから精神的には老化していなかったのです。創造性は生命力の特性のひとつですが、その本質は未来をみつめることで、目標をもち、それを達成したいと強く願うことなのです。人生に対する熱意を生みだし、心豊かな人生を送るために「やりたいこと」を創りだすのです。その欲求をもったとき、あなたは心豊かな人生を享受できます。(p.212)
生きているということは目的そのものではなく、目標への「手段」なのです。生きるということは、あなたにとってたいせつな目標を達成するために、採り得る手段の一つなのです。
生きることを目標への手段として多様な形で適応させれるなら、また生命力を必要とするような目標をもち、それを目差して行動するように自分自身を位置づけるなら、より強い生命力が得られると考えるのは理に適っていないでしょうか。
わたしは「明日を楽しもう」と強く願うとき、とりわけなすべき大事なことがあり、行くべき場所があるとき、喜びと期待をもって未来を望む事で、この欲求を満たすことができると信じています。(p.213)
生きることを目標への手段として多様な形で適応させれるなら、また生命力を必要とするような目標をもち、それを目差して行動するように自分自身を位置づけるなら、より強い生命力が得られると考えるのは理に適っていないでしょうか。
わたしは「明日を楽しもう」と強く願うとき、とりわけなすべき大事なことがあり、行くべき場所があるとき、喜びと期待をもって未来を望む事で、この欲求を満たすことができると信じています。(p.213)
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